破産後に起業

会社破産・倒産後に社長が再び起業する上で、なるべく長引かせずに破産の手続きを終えることが一つのポイントになります。

破産を長引かせないことが、社長のリスタートに重要な理由

人脈が残っていれば社長さんに誰かしら手を差し伸べてもらえ、そこから再起につながることが多いです。

しかし、破産が長引いて社長さんが藁をもつかむ思いで周りの人からお金を借りてしまうと援助してくれたかも知れない人にも迷惑をかけてしまう可能性があります。

破産後の社長さんを助けてくれるのは、破産の時に迷惑をかけなかった人であることが多いです。

しかし、破産前にお金を借りて相手に迷惑をかけてしまうと破産後のリスタートを支えてくれたかもしれない方とのご縁を傷つける可能性が高くなります。

周りから援助を受けたり、お金を借りるなら破産した後の方が良い

破産を検討している状態では、そもそもキャッシュフローが回っていない可能性が高いので、借りたとしても破産して相手に返済ができない可能性が高いです。

※破産する前に借りてしまうと、特定の人にだけ特別に返すということが破産法上できない。

破産した後に借りたお金であれば、破産法の制約なく相手に返すことができます。

よって、破産を検討している状態で、社長さんがお金を借りたり援助を受けるのであれば「破産した後」の方が良いと言えます。

その他、破産を長引かせないメリット

新規事業の準備期間を設けることができる

新規事業をするにも準備期間がいるので、破産の手続きを早く終わらせることで準備期間をある程度設けることができます。

弁護士に破産を早く終えてもらうことで、周りも安心してお金を貸すなどの援助ができるので、リスタートも円滑になります。

信用情報の保管期間を早く消化できる

自己破産の情報は信用保証協会に保存されますが、その期間はおよそ7年間との情報があります。

その間は金融機関からの融資を受けることが難しくなってしまいますが、破産の手続きを早く終えることで、その期間を早く消化することができます。

破産の手続きにかかる期間

会社破産(倒産・法人破産)の期間

※中辻綜合法律事務所のスケジュールです。
  • 破産の手続きは早ければ3か月~半年で終わります。
  • 配当があれば、1年以上かかることもあります。

参考記事:大阪の会社破産の流れについて

大阪の場合は研修等を経ておよそ5年以上の弁護士でなければ、管財人に任命されることはないので、ある程度しっかりした方が管財人になります。

そのため、開始決定後にあまり長引くことは考えられませんが、破産申し立てまでの時間がかかってしまったり、申し立てをしたものの書類に不備があり開始決定までに数か月かかってしまうと破産手続きが長引く要因になってしまいます。

弁護士には、法人破産にかかるトータルの期間に加えて、「開始決定までの期間」について確認しておくと計画が立てやすくなるはずです。