大阪の会社破産手続き

大阪府内での会社破産(法人破産、倒産)の手続きの流れ、費用、かかる期間について解説しています。

会社破産(法人破産、倒産)の流れを解説

会社破産の流れは全国共通で以下の様になっています。

  1. 債務調査
  2. 債権者へ受任通知を送る
  3. 財産確保
  4. 従業員の未払い賃金の調査
  5. 破産申し立て
  6. 開始決定
  7. 財産の換価
  8. 債権調査期日
  9. 配当
  10. 会社の廃止

特に、緑色を付けている破産申し立てから開始決定は重要な部分になっています。

地域によって、破産申し立て~開始決定までの期間が代わりますが、それ以外は大きな違いはありません。

(1)債務調査

債務がどれくらいあるのかを調査する段階です。

「債権者が誰で何人居るのか?」「債務の金額はいくらか?」「それぞれの支払い時期はいつか?」ということを確認し、債権の種類(手形、公租公課、買掛金、賃金)を把握します。

中辻大輔弁護士からのコメント

この段階で受任通知を債権者に送ることが多いです。

債権者へ受任通知を送ることで、今後は依頼者への連絡が出来なくなり督促・取り立てがストップします。以降は全て弁護士が債権者とやり取りを行うことになります。

(2)財産確保

1.決算書を確認
2.売掛金の回収を弁護士が行う
3.在庫の処理するなどで換金
4.不動産の調査なども行う

売掛金や在庫、など現金化できるものを換金し、また手元にあるキャッシュの流出を防ぎます。

この「財産確保」の段階では基本的には売掛金を回収していくことが多いです。

質問

不動産の調査は最短でどれくらいで現金化できますか?

中辻
弁護士

早ければ2ヵ月でキャッシュが入ることもあります。

(3)従業員の未払い賃金の調査

従業員に対する未払い賃金の金額を調査して確定させます。

その後、未払い賃金の支払いをしますが、支払いが難しければ「未払い賃金立替払制度」を利用し、最大で賃金の8割を建て替えてもらうことができます。

参考記事:未払賃金立替払制度について

(4)破産申し立て

申立書を作成し管轄裁判所へ提出します。

基本的に弁護士が対応するので、次の(7)の債権調査期日までは裁判所まで社長さんが付き添う必要はありません。

(5)開始決定

提出した破産申し立てが整っていれば、大阪の場合、破産申し立てから2~3週間で開始決定が行われます。

整っていなければ開始決定まで1ヵ月~2ヵ月程度かかることがあり、それだけ破産手続きが長引いてしまうことになるため「破産申し立て」の時点でしっかり整えておく必要があります。

開始決定のタイミング

例えば、既に社長が別の仕事をされていて、今月の25日に収入が入るとします。しかし、開始決定が24日までにされていれば25日に入るお金は処分の対象とならずに社長が全て受け取れる可能性があります。この開始決定のタイミングは、社長の倒産後手続き後の生活が安定するかどうかが関わってきますので弁護士に事前に相談しておきましょう。

(6)財産の換価

(3)の「財産確保」で調査した不動産や、残っていた売掛金や在庫なども全て現金化します。

回収できなかった売掛金の回収、不動産、在庫の現金化など。

(7)債権調査期日

破産管財人が債務がどれくらいあったか調査して、財産がどれくらいあったか、その財産の現金化の進捗を裁判所に報告する日です。

社長さんが裁判所へ行かなければならないのはこの時だけで、弁護士が付き添います。

(8)配当

財産の現金化ができていれば、債権者に平等になる様にお金を配当する。

(9)会社の廃止

会社が法律上無くなったという状態です。

大阪の会社破産にかかる費用

  • 弁護士費用:事務所によりますが、相場は100万円程度~
  • 弁護士の作業量による
  • 安い所の場合50万円程度

安い費用で受けている事務所だと手間暇がかけられないため、手元に残る金額が少なくなったり、破産の開始が遅れるといった問題が起こる可能性があります。

弁護士の提示する「結果的に依頼人に残る金額」やプランを基に弁護士を選ぶことで、依頼人のその後の生活に支障が生じるリスクを減らすことが出来ます。

参考記事:大阪の会社破産の費用について

大阪の会社破産にかかる期間

相談から破産までで半年~1年程度(中辻綜合法律事務所の場合)

大阪の会社破産(倒産)の流れや期間

当事務所の場合、最初から最後まで、法人破産にかかる期間は半年~1年程度です。

換金するお金が無いなどで、債権者へお金を割り振る「配当」が無ければ、半年程度で終わります。

事案によっては、もう少し長くなることもありますがこちらをベースに考えて頂ければと思います。