法人破産のメリット・デメリット
法人破産とは、法人が負っている債務(借金)を帳消しにする裁判上の手続きのことをいいます。
借金が全てなくなるという利便性から、運用する方も多いですが、法人破産には、運用に伴うデメリットも多く存在します。今回は、メリットとデメリットに分けて、法人破産を詳しく説明します。
■メリット
① 債務を支払う義務がなくなり、債権者からの取り立てがされなくなる
会社によって破産手続きが開始されると、それまでに債権者だった方は破産債権者となり、今まで通りに強制執行や債務支払いを命ずる訴えを提起することはもはやできず、裁判所による破産手続きによってのみ充足を得ることができます(破産法100条1項参照)。
つまり、破産手続き以降は、債権者は独自の取り立てをすることができなくなります。
また、破産手続きをするということは、会社または法人の消滅事由に当たります(会社法471条5号、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律148条6号、同法202条1項5号)。そして、債権者は存在しない会社から借金を取り立てることはもはやできません。
以上より、破産手続きによって実質的に債務を支払う義務がなくなるということが、やはり大きなメリットと言えるでしょう。
② 新たなスタートを切ることができる
破産手続きをすることによって、会社は、今まで悩んでいた資金繰りや借金について考える必要がなくなり、新たにスタートを切ることができます。
また、スタートという観点からは、会社だけの問題ではなく、その会社で勤めていた従業員や、債権者にも言うことができます。
例えば、破産手続きまでしなければならなくなった会社は、従業員に未払い賃金が残っているケースも少なくありません。そのようなとき、破産手続きをすることによって、「未払い賃料立替制度」を運用することができ、従業員は相当程度の満足を受けることができます。
他にも、債権者としては、1円も払ってもらえないよりは、破産手続きによって、所有している財産を換価し、公平に分配してもらった方が、金銭的な充足を得ることはできます。
以上のように、関係者にとって必要以上の迷惑がかからずにスタートを切ることができるという点では、破産手続きは最適であると言えます。
■デメリット
① 会社の財産はほぼ全てなくなる
上述したように、破産手続きによって、会社は今まで負っていた債務の履行を免れることができます。最も、それで終わってしまっては、お金を貸した債権者にとって余りにも酷な結果となってしまいます。
そこで、破産手続きが開始されると、今まで会社が所有していた財産は全て換価され、債権者に公平に振り分けられることとなります。
新たなスタート、と言っても、会社経営者の手元に残るお金はありませんので、注意しなければなりません。
② 会社を畳み、従業員を解雇する必要がある
上述したことの裏返しではありますが、破産手続きは会社の消滅事由にあたるため、今まで築きあげてきた会社を畳む必要があり、事業を継続することが出来なくなってしまいます。また、破産によって、物的資産の他にも、人的資産を整理しなければならないため、今まで雇っていた従業員を解雇する必要も出てきます。
③ 代表者は経済的信用を失う
法人破産をするということは、債権者に対して債務を返済できなかったということを意味します。そのような企業の代表者に対して、お金を貸す人は、一般的に多いとは言えないでしょう。
以上のように、法人破産はデメリットを多く含む手続きとなっています。運用する際には、法律事務所等にまずはご相談されることをお勧めします。
中辻綜合法律事務所は、大阪市中央区を中心として、大阪市北区、大阪市西区、天王寺区、浪速区、福島区、都島区、淀川区、阿倍野区などの大阪府や、京都府、兵庫県で広くご相談を承っております。 倒産(再生)・中小企業の法律顧問(支援)・相続・交通事故等の民事から刑事まで幅広く手掛けておりますので、お困りの際は当法律事務所までご相談下さい。
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弁護士紹介
弁護士 中辻 大輔 (なかつじ だいすけ)
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- 平成31年 中辻綜合法律事務所設立
- 大阪弁護士会
弁護士 野村 倖基 (のむら こうき)
- 令和5年 弁護士登録
- 同年 中辻綜合法律事務所入所
- 大阪弁護士会

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