カスハラとは?定義や対策、悪質なカスハラへの対処法など
今日においては、嫌がらせを意味する「ハラスメント」の頭に他の単語を組み合わせた、~ハラスメントが数多く存在しています。
パワーハラスメントをはじめとして、セクシャルハラスメントなどの言葉が使われる中、カスタマーハラスメント、省略してカスハラという言葉が使われています。
カスタマー、すなわち、客からのハラスメントを意味するカスハラですが、具体的にはどのような行為がカスハラにあたるのでしょうか。
このページでは、カスハラの定義・対策・悪質なカスハラへの対処法についてご紹介します。
■カスハラの定義
カスタマーハラスメント、カスハラとは、どのような行為を意味するのでしょうか。
法律上、カスハラの定義を明文化したものはありません。もっとも、パワハラ防止法に関する厚生労働省の指針の中で、「顧客等からの著しい迷惑行為(暴行,脅迫,ひどい暴言,著しく不当な要求等)によりその雇用する労働者の職場環境が害されないよう配慮すること」を会社が行うことが望ましい取り組みの一つとして掲げています。
このカッコ内の「暴行,脅迫,ひどい暴言,著しく不当な要求等」がカスハラの具体例を記載したものとされています。
■カスハラに対する対策
カスハラに対して、事前にできる対策はあるのでしょうか。
カスハラに該当する場合には、民事上の不法行為に基づく損害賠償請求の対象となることや、刑事上の脅迫・恐喝・威力業務妨害罪等に該当することがあります。
そこで、紛争となった場合を見据えた適切な対応をとるために、複数人が対応できる体制を整えること、無理な要求をしてくる顧客への対応に関する訓練を従業員に実施することや、クレーマー、クレームに関する情報を共有することは、対策として有効といえます。
また、事前に顧客に録音することを伝えることで、不当な主張に対する萎縮効果を狙うことができます。
■悪質なカスハラへの対処法
カスハラに該当する場合には、民事上の不法行為に基づく損害賠償請求の対象となることや、刑事上の脅迫・恐喝・威力業務妨害罪等に該当することがあります。
もっとも、正当な顧客からの意見は企業にとっては極めて重要であり、良かれと思ってされた顧客の行為をただちにカスハラと決めつけて対応をすることには問題があります。
まずは、通常のクレームと同様に、顧客の主張を理解して謝罪・お詫びをすること、原因の確認や代替案の提示、エスカレーション、意見に対する感謝等の対応をとることが求められます。
パワハラに該当するような場合には、一人で対応しようとせずに、上司を含めた複数人で対応し、状況に応じて、自分達だけで対応しようとせずに警察と連携することが求められます。
無理難題な顧客の要求をのまないこと、提示された書類等に署名押印しないことや、紛争に発展した場合に備えて、録音を実施することも重要といえます。
民事紛争に発展した場合には、顧客を相手方として、不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます。
もっとも、直ちに訴訟を提起するのではなく、まずは話し合い等での解決を図ることが、時間や費用の観点からは現実的といえます。
以上のように、カスタマーハラスメントに明確な定義がない上に、どのような対応をすることが好ましいのかわからない方も少なくないでしょう。お客様は神様ではなく、無理難題な主張でさえも応えなければならないわけではありません。もっとも、誠実な対応は必ずしも顧客の無理難題をのむことを意味せず、むしろ、紛争になった場合もならなかった場合もいずれであっても重要な意味があります。
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弁護士紹介
弁護士 中辻 大輔 (なかつじ だいすけ)
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- 平成31年 中辻綜合法律事務所設立
- 大阪弁護士会
弁護士 野村 倖基 (のむら こうき)
- 令和5年 弁護士登録
- 同年 中辻綜合法律事務所入所
- 大阪弁護士会
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